松田裕之さん（東京大学海洋研究所海洋生物資源部門資源解析分野）の企画立案で、『水情報』に［自然の権利］特集が実現しました。
1995年7月号で、中西準子さんが巻頭言で取り上げた媒体での特集であり、感慨も一入（＜ひとしおとよむのです）。ぜひご購入ください。
※松田さん筆の編集後記を転載させていただきました。2001.02.06
※「水情報」と［自然の権利］の浅からぬご縁について 佐久間 （乞うご期待！）
21巻１号（2001年１月号）目次
特集：『自然の権利』運動
＜巻頭言＞世代間不平等は誰が裁けるか？ 松田裕之 2
＜インタビュー＞奄美自然の権利訴訟の実験 山田隆夫 3
「法律学と生態学―シンポジウム「自然保護と法」を企画して」
交告尚史 8
「運動」側から見る「自然の権利」 佐久間淳子 13
「「自然の権利」運動と学際的理論」 竹下賢 17
アコネットなど（高橋さん担当） 22
注：お願い：コピーやめて！そうしないとこの出版が続けられません。私たちに
とって必要な情報の出版がコピーによってつぶされていることを是非知っていた
だいて、よろしくご協力下さい。連絡いただければ、1部でもお送りします。
（申し込みは末尾参照）
この雑誌のバックナンバーの紹介は
http://www2d.biglobe.ne.jp/~chem_env/mizujoho.html
をご覧ください。そこにも記されているとおり、会費は以下の通りです。
定価 １部５００円（送料別）
年間購読料（送料含む） Ａ会員（一般会員） ６，０００円
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口座名：月刊水情報（郵便局，銀行とも）
発行人 高橋敬雄
編集委員 岡本雅美・加藤英一・在間正史・岡 敏弘・川辺みどり
編集後記より===========================================================
22日、奄美自然の権利訴訟の判決が 出た。却下はやむを得ないだろうが、現代法の枠組の限界を明言したのは画期的
だろう。本号で山田さんが仰ったとおりだ。
勝訴だけが勝利とは限らない。佐久間さんが述べたように、「自然を守りたい 人の訴え出る権利」は裁判を通
じて注目された。誤解もされたが、実質的な成果もあげたのだろう。自然自身に権利はないが、私たち自身も、私たちの子孫も、
自然の恵みを享ける権利があると私は思う。私たちは、膨大な赤字国債よりもさ らに深刻な自然破壊の負債を遺し、「子孫の権利」を奪っている。
交告さんが述べたように、これは単に権利の問題ではない。自然に対する愛が なければ自然を守ることはできないのだろう。竹下さんが述べたように、自然保
護の根拠は生態学を超えた倫理学の問題だろう。こうなると、神の存在と隣人愛 を議論するような気持ちになった。私は無神論者だが、良心は必要である。また、
人が神を信じるのを否定するつもりはない。
今回の執筆者の方々には、真摯に相手の主張に耳を傾け、冷静に理解したうえ で、説得しようとする暖かい姿勢が感じられた。編集を担当して、私自身の視野
が広がり、次のような確信をもった。私たちには、自然の恵みを後世に残す「子 孫への責任」がある。 （松田裕之）
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