2001.01.22

奄美自然の権利訴訟　判決は、原告の訴えを却下。
実質勝訴！！！！！　　控訴の方向

22日午後3時30分すぎ、奄美自然の権利訴訟に判決が言い渡された。
この裁判は、奄美大島に計画された二つのゴルフ場の開発差し止めのために訴えられたもの。
ひとつは龍郷町市理原、もうひとつは住用村市崎。
両件ともに、原告の訴えは却下。
いずれにも原告適格は認められず、訴えは却下となった。
しかし、弁護団としてはこの判決を「実質勝訴」と分析している。

原告は、薗博明さん、常田守さん、中原貴久子さんが出席。

３時10分から傍聴券配布。全46席のところ、44名が集まり、かろうじて無抽選。
原告ら約25名は、裁判所前の歩道を、奄美の生き物たちを描いた横断幕を掲げて更新しながら裁判所に入った。
遅れて到着した方が約10名いて、その人たちを法廷に入れるために開廷を遅らせて交渉。
結果、ベンチ型の椅子を追加し、詰めて全員着席。

3時30分から２分間はマスコミの撮影時間。
その後、開廷。実質１分。
「判決を言い渡します。長いので主文のみ読み上げます。本件訴えをいずれも却下する。　　　　　　　　
訴訟費用は原告らの負担とする。判決文は長いので、あとで読んでください。」

　これで、法廷は終わり。
　
　　　
続いて、４時30分より、隣接する消防会館で記者会見を行った。

弁護団の現時点の判断では、却下であったものの、実質勝訴。
龍郷町については、開発業者の廃止届けを受理したため、実質上開発の中止を裁判所が確認したと言える。
また、住用村については、すでに出された林地開発許可に関しては、裁判所は判断を保留しているが、現地検証によって、裁判所自らが、アマミノクロウサギの存在を確認したと書いているため、開発当事者である岩崎産業が作成した調査書にあるような、「アマミノクロウサギはいない」という内容に対して、裁判所がくさびを打った格好になっている。

　6時近くまで質疑応答をして、作楽に移動（裁判所から徒歩５分）。

自然の権利基金かごしまとして裁判を支援してきた赤星秀一さんの経営するレストラン「作楽（さら）」は、昼前から同窓会なみのにぎやかさ。
夜の交流会も、敗訴だというのに、なんだかやたらに楽しげにみんなで鍋を囲み21時30分現在、盛り上がり中。

●控訴の方向

本件判決は、却下とはいえ、実質勝訴と評価できる内容だった。しかし、奄美自然の権利訴訟の持つ価値をさらに深めるために、控訴を持って臨むこととした。
詳細は、弁護団による声明発表をお待ちください。　（弁護団コメント）